非認知能力とは?
非認知能力とは、偏差値などの数値で測れる認知能力とは違い、数値で表すことのできない能力を幅広く表す言葉だそうです。
例をあげると、物事をやり抜く力、自制心、自己肯定感、コミュニケーション能力などがありますが、
子どもがより良い人生を歩むためには認知能力だけではなく、この非認知能力が大切だと最近は言われています。
親としては、ぜひ非認知能力を伸ばしてあげたいですよね?
では、どうすればいいのかと思い、本書「私たちは子どもに何ができるのか~非認知能力を育み、格差に挑む~」を読みました。
本書から得た3つの気づき
本書は、アメリカの貧困に苦しんでいるこどもたちの非認知能力を育むにはどうしたらよいかということについて、フリージャーナリストのポール・タフさんによってかかれた本です。
私がこの本を読んで特に印象に残ったのが次の3点です。
- 非認知能力は環境の産物
- ベースはアタッチメント(愛着)を築くこと
- モチベーションをあげると非認知能力によい影響がある
上から順に詳しく書いていきたいと思います。
非認知能力は環境の産物
非認知能力を育むためには、やり抜く力とはなにか、自己肯定感とはなにかなど、非認知能力について直接子どもに説明するというようなことは、効果的ではないそうです。
では、どうすれば?
環境の産物ってどういうこと?
棚にずら~と百科辞典とか並べないとだめ?!
いえいえ。ご安心ください(^^)d
親や子どもの周りにいる人たちの接し方が非認知能力を育むためには重要なんだそうです。
日々、時間に追われなかなか丁寧に子どもと向き合えない。。
接し方が大事って、あいまいすぎて逆に難しいなあ。。
そうですよね~(–;)
これさえやれば、非認知能力が伸びます!と決まったものがあるほうが確かに楽だと思います。
でも、巷でよいと言われている方法が、我が子には合わないってことがよくありますよね?
また、昨日はうまくいった方法が今日は通用しないなんてことが子育て中はザラにありますよね。。(イヤイヤをなだめる方法とか、なんで日替わりなんですかね。。)
それなら、多少試行錯誤が必要でも、今日の我が子にベストな接し方を探っていくほうが長い目で見て非認知能力をより育んでいけるはずです!
接し方のキーポイントは、子供に安心感を与え、好奇心をもっていろんなことにチャレンジしていいんだよ、伝わるようにする事。
他にも本書には、どういった接し方が効果があったか、たくさんの論文を参考に書かれています。
子どもは生まれながらよい方向へ変化していく力を持っているとのこと。
その力を信じ、できる限り精一杯子どもに向き合っていきたいと読後、改めて感じました。
ベースはアタッチメント(愛着)を築くこと
粘り強さ、誠実さなどいろいろあると言われている非認知能力ですが、それらを育むためにベースとなるのが、アタッチメント(愛着)なのだそうです。
まずは、1歳までにしっかりアタッチメント(愛着)を子どもとの間に形成しておくことが、後々の非認知能力を伸ばすためのベースとしてとても重要です。
アタッチメント(愛着)形成についてざっくりいうと、『お母さんは僕の安全基地だ』という感覚を子どもがしっかりと持てるようにすること。
小さいこどもにとって毎日は初めて経験することの連続です。
不安になったり、怖くなったりすることもたくさんあります。
そんなとき、『安全基地』がしっかりある子どもは、そこにいつでも戻れる、戻れば大丈夫という安心感をもつことができます。
その安心感が、やり抜く力、自己効力感、好奇心などへとつながっていくのです。
『安全基地』がない子は、常に不安で怖くて、好奇心など湧いてこず、やり抜く力も持てません。
本書には、アタッチメントの形成が長期的に与える子どもへの影響など興味深い内容が他にもたくさん書かれています。
私もまずはどっしりとした『安全基地』になり、こどもを受け止めたいと思います!
(体型はあんまりどっしりしないように気を付けます。。)
モチベーションをあげると非認知能力によい影響がある
モチベーションと非認知能力にあげられる、やり抜く力や自制心とは深い関係性があります。
そのモチベーションをあげるには、3つのポイントがあるそうです。
子どもの取り組む課題が。。
- 子ども自らが選択する(強制されたものではない)
- 簡単すぎず難しすぎないレベル
- 周囲の人からプラスのフィードバックがある(誉められる、尊敬されるなど)
この3つのポイントを満たしていると、子ども自らやる気をもって取り組むことができるそうです。
でも、いつもこの3つのポイントが満たされた課題ばかりな訳がありませんよね?
でも、親のちょっとした工夫で3つのポイントがクリアできるんです!
つい、モチベーションが下がりがちな苦手教科の勉強も、意欲的に取り組めるように変化させられるということです!
参考までに、私がこの本を読んでからどんな風に子どものモチベーションアップを図っているかというと。。
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例:やってほしいプリント学習が2枚ある場合
どっちからやるー??と子どもに聞く→自ら選択した感
8割既習、2割新規の問題くらいのレベルにする→簡単すぎない感
おわったらめっちゃ誉める→俺、すごいわ感
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こんな風に親がちょっと演出すると最初はプリント1枚すらいやがっていた子どももあっという間にその日の分をやり終えます!
この本を読んで、少し子どもへのアプローチを変えただけですぐにモチベーションが変わったので驚きました!
本書には他にも子どもの失敗についてどう対応するかなど、親のアプローチ方法の参考になる内容が書かれています。
日々、場当たり的にしていた対応を振り返り、子どものモチベーションを高めるよう、改善していきたいと思います!
まとめ
この本を読んで、まず子どもの貧困は、学力だけでなく非認知能力にもマイナスの影響を及ぼすことがあるのだと知りました。
しかし、『非認知能力は環境の産物』であるように、今この瞬間からでも子どものためにしてあげられることがあるのだ、ということも分かりました。
非認知能力は子どもにとってどんなに大切か、またそれを育むためにわたしたち大人が子どもたちにできることはなにか、
子どもたちが暮らす環境を整えていく責任を感じ、ヒントをもらった一冊でした!
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